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acure Lounge

"谷川"の誇りを胸に、おいしくて安全な天然水を----ボトリング工場のプラントマネージャー 小倉秀一さん

2018.9.20

*** 記事の内容は作成時のものであり、最新情報とは異なる場合がありますのでご了承ください。***
※記事の内容は作成時のものであり、最新情報とは異なる場合がありますのでご了承ください。

当たり前のように利用しているものも、わたしたちの手に届くまでには、多くの人たちの努力と思いによってつくり上げられています。たとえ目に見えていなくても、必ず誰かの「仕事」がそこにはある----今回は、いつもわたしたちが何気なく買っている自販機ドリンクたち、それらがつくられている工場を訪ねます。

豊かな自然あふれる谷川岳のふもとで、その自然の恵みをボトリング

日本百名山にも数えられる名峰・谷川岳を中心とした谷川連峰。その広大な自然に囲まれた群馬県・みなかみ町で、長きにわたり飲料の製造を手がけているのがハルナプロデュース株式会社の「タニガワプラント」です。

この日の見学案内をしてくださったのは、小倉秀一さん。タニガワプラントのプラントマネージャーとして働いています。

「ここ、タニガワプラントでは、お茶や果汁飲料をはじめ、数多くの種類の飲料を製造しています。わたしたちにとって『お客さま』といえば、ご発注をくださる飲料メーカーのみなさま、そして、その向こうにいらっしゃる“実際に飲料を楽しまれるお客さま”のふたつの意味があります。

そして、そのどちらの『お客さま』にも満足いただけるものをつくり続けることが、わたしたちのミッションです」

「常に品質を保つことは、どの飲料・商品でも同じように大切にしていることです。しかし、なかでも特に細心の注意を払っているのが、ミネラルウォーターなんです」

他の飲料に比べ、シンプルな分、簡単にできそうに思えるミネラルウォーター。「たしかにそう思われる方も多いかもしれません。でも、ミネラルウォーターづくりは、ほんとうに奥が深く、日々学びの連続なんですよ」と小倉さんは言います。

なぜ“細心の注意”が必要なのか、どう“奥が深い”のか——実際の製造工程を案内いただきながら、さらにお話を伺ってみました。

IT・オートメーション化が進んでも、頼りになるのは “人の感覚”

タニガワプラントで製造されているミネラルウォーター、『From AQUA(以下、フロムアクア)』。谷川連峰の自然の恵みであるこの天然水は、採水されるとまずはパイプラインによってJR上毛高原駅近くの貯水タンクまで引き込まれます。そこからタンクローリーでタニガワプラントへと運ばれ、ペットボトルにボトリングされます。

集められた水は保管タンクから工場内へと引き込まれ、細かさの異なる濾過装置で2重に濾過。微細な混入物まで徹底的に除去され、検査が行われます。

pH(酸性・中性・アルカリ性といった液性)や硬度など一般的な水質検査も実施されますが、加えて行われるのが「官能検査」です。「官能検査」とは、味覚や視覚など、人間の五感・感覚器官を使って製品の品質を判定する検査方法のこと。

「最終的には『おいしい』と感じていただくことが大切ですが、この時点では“おいしいかおいしくないか”ではなく、製品として出荷されている普段の『フロムアクア』の味と比較し、変化がないかを人の感覚によって確認しています。担当するのはベテランのスタッフ2名。それも毎年試験があり、パスした人でないと担当ができません。そう、職人芸とも言えますね」

ミネラルウォーターは他の飲料と異なり、味や香りの加工を行うことはできません。そのものの味が問われる製品なだけに、こうした装置&人の感覚によるダブルチェックでの検査が不可欠なのだといいます。

シンプルだからこそ、ひとつの間違いも許されない——「ミネラルウォーター」づくりの難しさ

検査を受けた水は135度に加熱殺菌〜その後90度まで冷却され、ボトリングが可能に。ここまでの工程は水の濾過〜殺菌と、手間はほとんどかかっていないようにも思えますが、だからといって「簡単につくれる」ということではありません。

「果汁や野菜飲料の場合、その品質保持には原料を製造する原料メーカーさんも一定の工夫を行っています。しかし、『フロムアクア』は現地で採水した水を、ここでボトリング。他の手は“一切”加えられていないのです。

よって、万が一、品質に問題があった場合、工場の品質管理や衛生状態、製造工程に問題があることに他なりません。高い品質を維持するためにも、ミネラルウォーターは他の飲料以上にシビアにチェックを行い、気をつかう必要があるのです」

「工場周辺の環境の影響もあります。工場内は空気を循環させるため外気を取り込んでいますが、万が一近隣で火災が発生したら、その煙が入り込んでしまい、水に匂いが移ってしまう可能性も。そんな時は生産ラインを停止するなど、ミネラルウォーターの製造は細心の注意が求められます」

食の安全はまずここから。確かな品質は「徹底した衛生管理」の賜物

水をボトリングするペットボトルが製造ラインにのせられると、ケースに詰められ出荷できる状態に至るまで、以降の工程はすべてオートメーションで進んでいきます。

ボトルは内部まで洗浄され、工場内でも厳重に遮断された「充填室」へ。ここで、前の工程で加熱殺菌された水が充填されていきます。

食品工場である以上、場内全体の衛生状態は当然厳しく管理されています。製造現場の清掃を徹底し、外部からの人の出入りによって異物などが持ち込まれるリスクを抑えるため、ボトリングをしている建屋内に入る場合は入口では「30秒手洗い、粘着ローラーでの着衣クリーニング」をはじめとした入場ルールが徹底されています。

「ペットボトルに内容物を充填する場所である充填室では、工場内でも最も厳しい管理が求められます。ラインが稼働している際は、担当者であっても充填室にはなるべく立ち入らず、やむを得ず入る場合は、再度手洗いとクリーニングを行います」

充填されたペットボトルは再度冷却の工程を経て、『フロムアクア』のラベルが取りつけられ、見慣れた姿に。キャップの取りつけに問題がないか、ラベル不良がないか、ラベルの印字不良はないか、などのチェックを行い、基準を満たさないものはラインから取り除かれていきます。

「『フロムアクア』といえば“落ちないキャップ”。『キャップひとつ変わるのなんて、そんなに影響ないでしょ?』と思われるかもしれませんが、形状が変われば、それに合わせて機械もラインも変える必要があります。導入当初はかなりの試行錯誤(※)もありました。懐かしい思い出です」

こうした一連の工程は、すべてカメラで記録、工場内にある管理室のモニターを通して、小倉さんを含む複数人でチェック。各工程の現場担当者によるチェックとあわせて、日頃の品質管理はもちろん、今後に向けた改善ポイントを事前に見出すことにもつながっているのだそうです。

完成した『フロムアクア』はケースに梱包され、工場に隣接されラック倉庫へと運ばれます。ちなみに、タニガワプラントでの1か月の生産数は約80~90万ケース、このラック倉庫はなんと約25万ケースもの製品が保管可能なのだそう。わたしたちが<エキナカ>で出会う『フロムアクア』は、まさにこの巨大ラックから運ばれてきた1本、というわけです。

※『From AQUA<フロムアクア>』30年物語(第4話「落ちないキャップ編」参照)

大切なのは「安全と効率の両立」、そして「恐れず“チャレンジ”する姿勢」

こうした一連の製造工程を含めた工場全体の責任者となるのが、プラントマネージャーである小倉さん。いわば「工場長」であり、工場の運営はもちろん、生産数量や予算、年間の運用コストなどの作成・管理し、目標を達成できるようマネジメントしています。

「水からお茶、果汁製品、スポーツドリンクまでと、多くの製造ラインが日々稼働しています。多種多様な製品、さまざまなサイズのペットボトルに対応できるのがタニガワプラントの特長です。こうした特長を生かしながら、どうしたら最大限効率の良い生産ができるのか、常に考えていますね」

生産計画は社内の関連部署が集まり、実現可能なものを検討します。ただ、計画段階では問題がなくとも、猛暑などの影響で、お客さまから「ある製品を、急遽増産してほしい」といった要望が出ることもあります。

「とある製品の増産をしなくてはならない場合は、ラインを増やせばいい、ラインを切り替えればいい、と思われるかもしれませんが、それほど簡単なことではありません。

たとえば『フロムアクア』の製造を行っているときはそのラインでは『フロムアクア』しか製造出来ませんし、ウーロン茶のラインをそのまま緑茶のラインに切り替えることもできません。また、品種が同一でも、ペットボトルのサイズが変われば、それに応じてラインを型変えしなくてはならないのです」

一方で、多品種生産を行うために漫然とラインを切り替えていては、効率が悪くなるおそれも。次の生産への見通しをつけながら、いかにスムーズに切り替えられるか——変化する状況に対して、つねに柔軟に素早く対応することを心がけているのだそうです。

工場のパフォーマンス維持〜向上の秘訣は「心から誇れる“チームワーク”」

そして、大切なのは「チャレンジすること、チャレンジを恐れないこと」であると、小倉さんは言います。

「もちろん、同じ製品をつくり続け、安定を選ぶこともできるでしょう。しかし、チャレンジを恐れていては市場のトレンドから取り残され、工場の利益も下がり、次のステージに進化する機会も失ってしまうかもしれません。従業員の努力もあって多くの依頼をいただき、タニガワプラントはおかげさまで年間340日以上24時間フル稼働させていただいています」

さらに、小倉さんが効率のよい生産を実現するうえで不可欠だというのが、“工場で働く方々のチームワーク”。現在タニガワプラントでは56人が勤務。3チームにわかれ1日2交代制を取っています。各チームは工場で長い時間を共にし、休日も同じタイミングになるため、プライベートでの交流も活発です。

オートメーション化されたラインでの仕事は単純作業――。そんなイメージを抱いているのであれば、間違いです。

「日々異なる生産状況のなか、製品の型替え・品種切り替えを数多くこなし、高い技術と調整能力に長けた人材が集まっていることが、わたしたちの強みだと考えています。

現場担当者は、かすかな音の違いから正常か異常かを判断できるなど、現場を細部まで把握している、頼もしい存在です。逆に、管理する側では、どれだけ全体をチェックしているつもりでも、細部の変化は見えにくいもの。と考えれば、管理する側からなにかを一方的に命令されても、担当者は納得して働けないでしょう。大切なのは、担当者たちを尊重し、対等に向き合うこと。双方向のコミュニケーションを心がけるようにしています」

全員で協力しあう体制は、高い品質の維持にもつながります。現場担当者たちと一体になって話し合い、課題となっていたことが改善されたり、生産効率向上につながったときは、嬉しさと仕事の達成感を覚えるという小倉さん。

「全員が気持ちよく働けて、工場はベストな状態で稼働している。これが達成できたときのやりがいは、大きいですね」

品質への強いこだわりは、採水地から生産地までと、一貫して谷川岳近くに位置するブランドとしてのプライドがあるからこそ、と小倉さんは話します。

「わたしはタニガワプラントに来てからミネラルウォーターの生産に関わるようになりましたが、プラントの名前はもちろん、『フロムアクア』も“谷川連峰の天然水”として、“谷川”の名前を背負っているという責任を感じます。長く生産に携わっている現場担当者は、わたしよりも強くこだわりを持っているかもしれません。なによりも、谷川の水、『フロムアクア』はおいしい。このおいしさを、これからも多くの人にお届けしていきたいですね」

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COLUMN

平日は場内での仕事、なのに日焼けしているその理由は?

平日は場内での仕事、なのに日焼けしているその理由は?

写真は『フロムアクア』の採水地に近い、JR上毛高原駅のホーム。上毛高原までは東京から新幹線で1時間程度と、実は意外と(?)近いのです。とはいえ、タニガワプラントで働いているのは、多くが近隣のみなかみ町や沼田市といった地元の方々。ちなみに小倉さんは生まれ育った渋川市から40分ほどかけ、通勤しているそう。

「いまでこそ土日が休日ですが、現場担当者として働いていたころは、四勤二休(4日間勤務し、2日の休日を入れる体制)。週末に休めるのは1か月半おきでしたね。同じタイミングで休みになるチームのメンバーと、ゴルフに出かけたりしていました」

いまは「自分の趣味の時間はなかなか取れない」という小倉さん。自分の時間が取れないのに、笑顔なのはなぜ?

「ここ数年は、週末は息子のサッカー観戦と送迎にあけくれています。日焼けしているので『どこか(バカンス)に出かけたの?』と聞かれることも多いのですが、サッカー観戦の賜物なんです(笑)」

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