2回にわたってりんごの成長をお届けしてきた「りんご通信」。今回は、収穫期を迎えた青森県のりんご農園に2ヵ月ぶりに再訪してきました。秋も深まり、これからいよいよりんごがおいしいシーズンへ! 今年のりんごの出来栄えはどうなのでしょうか? そして、そのりんごから生まれるジュースとは? シリーズ最終回となる今回は、りんごの収穫からジュースになるまでの過程を追いかけていきます。
いよいよりんごを収穫! 今年のりんごの出来栄えは!?
今年のりんごの出来栄えについて、さっそくりんご農家の桑田さんにお聞きしました。
桑田さん「全国的に雨の多い夏になったようですが、青森県の津軽地方は比較的天気のいい日が続きました。逆に、雨が少なく、実はやや小ぶりとなりましたが、気温差が大きかった分、色づきもよく、甘いりんごに育っています。早生の品種『つがる』は9月初旬に収穫を終えましたが、こちらも素晴らしい出来栄えですよ」
今年は台風の被害もなく、質のいいりんごに育っているそうです。甘みがたっぷり。シャキッとジューシーな青森りんごが食べられるみたいです。楽しみですね!
味は申し分なし! “はねりんご”は一体どこへ……?
農家さんが手塩にかけて大切に育てたりんごは、収穫後、「選果場せんかじょう)」と呼ばれる施設に運び込まれ、サイズや色づきなどによって選別されていきます。色づきがよく、見た目に優れたものは贈答用、それなりの出来栄えものは自家用と選り分けられていくわけですが、中には形が不ぞろいなものや色づきの悪いもの、傷が付いてしまったりんごも……。実は、こうした“はね”と言われるりんごは市場には出回らず、ジュースやジャムといった加工用として使われるのだといいます。
「見た目は多少劣りますが、おいしさは他のりんごと変わらないので、加工品として新たに生まれ変わるのです」と、桑田さんが教えてくれました。
はねりんごを追いかけて、いざジュースの製造工場へ!
フルーツジュースの定番である“りんごジュース”ですが、その製造工程はほとんど知られていません。一体、どんな風にジュースになっていくの!?
はねられたりんごを追いかけて、お邪魔させていただいたのが、JAアオレンのりんごジュース工場。ここには、採れたてのりんごのおいしさをジュースに閉じ込める“密閉搾り”というすごい技術があるそうなのですが……一体、どんな技術なのでしょうか?
ここで問題! 「濃縮還元果汁」と「ストレート果汁」ジュースの違いとは?
工場に潜入する前に、さて、ここで問題です。果汁100%のフルーツジュースのパッケージでよく見かける「濃縮還元果汁」と「ストレート果汁」の文字。この2つの違いを、皆さんはご存じですか?
「濃縮還元果汁」とは、搾った果汁を加熱して水分を飛ばし、再び水分等を加え製造された果汁のことをいいます。一般的には、真空状態で果汁を加熱させることで3分の1ほどまでボリュームを縮小。ジュースにする際に、濃縮した果汁に蒸発させた分の水分を加えて出荷します。加熱の際に香りが飛んでしまうこともあるため、商品にする際に香料を添加している場合がありますが、原材料の輸送コストを下げられるため、低価格で楽しめるのが濃縮還元果汁ジュースの何よりの魅力です。
一方、「ストレート果汁」は、水分を蒸発させることなく搾ったそのままの果汁をパッキングしたものをいいます。それならば、「本物のりんごのおいしさが楽しめるのでは?」と思うかもしれませんが、そこがりんごジュース加工の難しいところ。酸化防止剤を入れないとジュースが変色してしまうため、ビタミンCの添加がやむを得ないのだといいます。ビタミンCは酸味料と同じですっぱい成分なので、どうしてもジュースにも酸味が残りがちに。りんご本来の味よりもすっぱいジュースに仕上がってしまうのです。
採れたてのりんごがジュースになるまでの一部始終!
酸化防止剤を使わずに「りんごそのものの味をジュースに閉じ込める」ということは、業界的に見てもとても難しいことなのだそうですが、それを実現したのが、JAアオレンが独自開発した “密閉搾り”の技術。今回は、特別にその製造ラインを見せていただくことができました。
それでは、いよいよお待ちかねの製造工場に潜入!「まるで、採れたてのりんごを丸かじりしたようなおいしさ」のジュースがどのようにして作られているのか、早速見ていきましょう。
工場に運び込まれてきたりんごは、まず洗浄ラインへ。表面についた汚れを水で洗い流した後、さらにブラシを使ってきれいに洗浄されていきます。皮ごとジュースにされるため、洗浄の作業は念入りに行われています。
きれいになったりんごは、破砕機に運ばれ、無酸素状態で細かくすりおろされていきます。“果肉入りのもろみ”ができたところで、今度は高速遠心分離方式を使って液体と固体を分離。残った果汁を殺菌し、無酸素状態のままタンクに貯蔵されます。さらに、出荷の直前にタンク内の果汁をブレンドし、味を均一化してから商品にしていくそうです。
何故おいしくなるの? 独自製法“密閉搾り”の秘密とは!?
先述のとおり、こちらで作られているストレート果汁ジュースには、“密閉搾り製法”と呼ばれる独自の製法が使われているのですが、これこそが、おいしいりんごジュースを作る秘密! 一体どれほどすごい技術なのか、JAアオレン営業部の神尚紀さんにさらに詳しく教えてもらいました。
神さん「一般的なストレート果汁ジュースの場合、りんごを5㎜~1㎝角ぐらいに砕いてから搾っていくのですが、りんごの持っている酵素が空気に触れると色が変わってしまうため、破砕時にビタミンC溶液を噴霧していきます。これが、せっかくのジュースに独特の酸味や香りを与える原因となってしまうわけですが、密閉搾りの場合は違います。窒素を入れて無酸素状態にした機械の中でりんごをすりおろしていくので、酸化防止剤がいらないんですね。砕くのではなくりんごを“すりおろす”のは、果肉に含まれる香りやコクがそのまま残せるから。粒とすりおろしでは、味わいが全然違うんです」
酸化防止剤を使わない密閉搾りのジュースならば、甘いりんごは甘く、すっぱいりんごはすっぱく。りんご本来の味が楽しめるということですね!
神さん「青森ではたくさんのりんごの品種が栽培されています。品種別にそれぞれのおいしさがあり、ジュースでも是非その違いを味わってほしいと思いました。ただ、その美味しさを引き出す搾り方はとても難しく『ただ搾ればいい』というわけではありません。品種によって、すりおろすもろみの細かさや搾汁する強さなど、微妙に変えているんです。また、りんごを搾るタイミングも重要で、品種ごとに一番おいしいタイミングを見計らっているんですよ」
“りんごを丸かじりしたようなフレッシュ感”が楽しめると評判の密閉搾りのジュース。しかも、品種固有の特徴を飲み比べられると聞いては、期待をせずにいられません! 早く、いろいろな味のりんごジュースを飲んでみたいです!
密閉搾りの味わいがエキナカで気軽に楽しめる!?
りんごが持つおいしい“個性”をジュースでもしっかり感じることができるという密閉搾りのりんごジュースですが、実はJR東日本のエキナカにあるアキュアの自販機で購入できることをご存じですか? それがアキュアメイド「青森りんご」シリーズ。第8シリーズとなる本商品では、赤い「つがる」と黄色い「きおう」の品種の飲み比べが楽しめるそうです。どんな違いがあるのか味わってみたいですね。
「つがる」は青森を代表する早生の品種ですが、人気が高い分、品薄になりがち。「きおう」は比較的新しい品種なので、生産量がまだまだ少ない希少品種だそうです。どちらも、一定量の確保が難しいため、単体の銘柄でジュースの飲み比べができるのは大変貴重なんだとか。
さて、4ヵ月に渡り、全3回でお届けしてきた「りんご通信」。おいしいりんごが育つまでには、農家の方々の本当にたくさんの工夫と苦労があることを知りました。エキナカのりんごジュースもまた然り。匠の技ともいうべき、すばらしい技術があるからこそ、りんごの味わいが最大限引き出されたおいしいジュースに仕上がるんですね。いよいよ旬の時期を迎える青森りんごジュース。心していただきたいと思います!
※『アキュア』の自動販売機で購入できるドリンクは、駅・時期により異なります。
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媒体名:アキュアラウンジ