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分別意識を高めたい!エキナカで、リサイクルボックスの実証実験開始

2021.4.29

*** 記事の内容は作成時のものであり、最新情報とは異なる場合がありますのでご了承ください。***
※記事の内容は作成時のものであり、最新情報とは異なる場合がありますのでご了承ください。

分別意識を高めたい!エキナカで、リサイクルボックスの実証実験開始

<アキュア>の自販機の横にリサイクルボックスが設置されているのをご存じですか?


「ペットボトルやビン、缶などを分別するのは正直面倒......」という人も多いと思います。


しかし、最近は「SDGs」や「サスティナブル」といったキーワードのもと、環境に対して意識的に取り組む人も増えているんです。


そこで今回は、リサイクルボックスの担当者である「みさと」さんに「リサイクルボックスを推進する背景やその想い」についてお話を伺いました。

「これでは回収できない……」リサイクルボックス実証実験開始の背景とは?

分別意識を高めたい!エキナカで、リサイクルボックスの実証実験開始

ペットボトルやビン、缶の分別は以前から実施していたと思うのですが、今あえてリサイクルボックスの実証実験をするのはなぜでしょうか?


「最近、ペットボトルや缶、ビンを回収や運搬、処分しているご担当の方から『昔に比べて、回収したものの中にペットボトルや缶・ビン以外のものが多く入っている』というお声をいただく機会が増えたように感じていました。それが最初の気づきです。

やはり社会情勢的にもテロ対策などで街からゴミ箱がなくなったり、コンビニに置かれていたゴミ箱がなくなったりなど、いろいろな外的要因がある中で、駅でゴミを捨てる人が増えてきたのでしょう。

エキナカにもそれほどたくさんゴミ箱があるわけではないので『このくらいのゴミなら捨ててもいいかな』という人が増えたのではないかと、そのとき思ったんですね。」


確かに、エキナカだけでなく、街中からゴミ箱が減って困るシーンが増えた印象はあります。以前とは、ゴミを取り巻く環境が変わってきているようです。


「去年、新宿駅でリサイクルボックスをひっくり返す大規模な調査をして、そこで実際に分別をしたのですが、飲料ゴミ以外のゴミがたくさん入っていたことを改めて認識しました。『確かに、この状態では回収作業に支障が出るかも…』と実感し、このままいくとリサイクルにも影響が出るかもしれないと危惧しました。

そうなると、弊社が中長期的に取り組もうとしている環境問題への取り組みにも相反してしまうこともあって、何か打ち手を考えなければいけないと思いました。」

分別意識を高めたい!エキナカで、リサイクルボックスの実証実験開始

どんな実証実験だったのか、内容と結果が気になるところですね。


「スピーディーにお客さまの反応を見たいという目的があったので、既存のリサイクルボックスを流用して投入口や見せ方を工夫することで、お客さまに啓発していこうと決めました。

それぞれ3種類リサイクルボックスとステッカーを準備し、首都圏の4つのターミナル駅(新宿・品川・上野・日暮里)に設置して、置く前と置き換えた後で飲料ゴミ以外のゴミの投入量が変動するかという調査をしました。」


結果が非常に気になるところです!


「結果としては、いくつかポジティブな反応が見られたものもあったので、それを今後、他の駅で集中的にトライアルを実施しようかと鋭意精査中です。あとは、お客さまだけでなく回収されるご担当の方の目線も必要なので、そちらからのヒアリング内容を含めたうえで最終的な形を決めていきたいです。」

気づくきっかけ・考えるきっかけになってほしい!リサイクルボックスに込めた想いとは

分別意識を高めたい!エキナカで、リサイクルボックスの実証実験開始

今回実証実験に利用したリサイクルボックスは、通常のものと何が違うのでしょうか?


「まずリサイクルボックスを3種類用意しました。

1つめは遊び心をテーマにしたもので、子どものおもちゃのように投入口をペットボトルやビンや缶の形にくり抜いたものです。『同じ形のものがあるとそこに入れたくなるよね』という人の心理をうまく活用したデザインにしました。

2つめはゴミを入れさせないというテーマで、丸い投入口にフラッパーと呼ばれるフタを付け、そこに『ペットボトルや缶・ビンだけを入れてください』という文言を書いたものです。

そして3つめが穴自体は従前のものと同じ丸形ですが、その上に『ここで回収されるペットボトルが再生されて、最終的にはこういう商品に生まれ変わりますよ』ということがお客さまに視覚的に見えるショウケースを設置して再生品を飾ったものです。」

分別意識を高めたい!エキナカで、リサイクルボックスの実証実験開始

これら3つのリサイクルボックスと、3種類のステッカーを組み合わせるわけですね!ステッカーの内容も教えてください。


「1つはリサイクルを全面に主張したもので『ここで回収されたものがリサイクルに役立てられるので、皆さんここにペットボトルや缶、ビンを積極的に入れてくださいね!』というメッセージを書いたものになります。

2つめは禁止という切り口で『分別は正しく行ってください』『こういうものは捨てちゃダメです』という切り口で作ったデザインです。

3つめは遊び心を重視した『分別リサイクルホールインワン』というゴルフっぽい雰囲気のものになります。横にペットボトルの穴、こっちには缶・ビンの穴といった、思わず入れたくなるようなデザインです。」

分別意識を高めたい!エキナカで、リサイクルボックスの実証実験開始

それぞれ方向性が違うので、どれが一番効果があるのか興味深いところです。

分別意識を高めたい!エキナカで、リサイクルボックスの実証実験開始

ところで、これまで「リサイクルボックス」は「トラッシュボックス」と呼ばれていたそうですが、空缶入れを「リサイクルボックス」と呼んでもらいたい「みさと」さんの想いとは?


『気づくきっかけ・考えるきっかけになってほしい』という想いが強くありました。

これまでは多くのお客さまが、これがリサイクルのための箱だということを意識していなくて『ただそこにあるから捨てる』という、単純にそれだけの話だったと思います。デザインもシンプルですしね。

しかし、今回このような形のリサイクルボックスを設置したことで、 捨てる前に一瞬でもいいから立ち止まって、考えてもらうきっかけにしてほしいと思っています。」


ちょっとした心がけが大切なんですね。身が引き締まるような思いです。


「ここで回収されたものが生まれ変わって別の商品になっていることや、自分が捨てたものが巡り巡って結果どうなるのかといった、 自分の手から離れたら終わりじゃなくて、この先どうなるのかっていう部分を意識してもらいたいという想いはありますね。

そもそも『リサイクルに使われます』というステッカーで効果が出れば、それが一番いいなという想いもあります。しかし、リサイクルに対する意識は人によって違うので、心理的に飲料ゴミ以外を捨てにくくなるような構造や文言を少し取り入れたデザインを作って、どちらの反応がいいか見てみたかったんです。」

小さな一歩を踏み出す高いハードル!?多くの方が利用するエキナカならではの難しさ

分別意識を高めたい!エキナカで、リサイクルボックスの実証実験開始

ターミナル駅に多くのリサイクルボックスを設置するための調整は、困難を極めると思うのですが……。


「一番大変だったのは、調査のやり方を決めるところでした。

実際にゴミを回収しているのは、協力会社さまです。限られた人数で毎日タイトなスケジュールの中、どこまで負担をかけずに調査に協力してもらえるかという調整が大変でした。

どこまでならやれて、どうやったら精度を保ってデータを収集できるのかという点に折り合いをつけるまでに、とても時間がかかりました。すごく地味なところですが、一番苦労しましたね。」


これはかなり調整に苦労しそうな予感がしますが、どのような方法で実現したのでしょう?


「今回リサイクルボックスを設置した駅は、1日に2回~3回回収するのが普通で、上野や新宿の多い箇所では6回ほど実施していました。しかも、決まった時間ではなく、他の仕事の合間を縫って回収作業を行うので、そこに調査のお願いを入れ込むのはなかなかハードルが高かったですね。

最終的には、回収業者と別で手配した調査会社の双方にご協力いただきながら、調査を実施することになりました。」


この分だと社内調整にもいろいろとご苦労がありそうですね。何か印象的なエピソードはありますか?


「事前調査をはじめていた段階で、実証実験を予定していた場所の工事が急遽決まり、あわてて場所を変えなければならないという事態が起こりました。実証実験開始の数日前に発覚したので、調整が大変でした。

エキナカはいろいろな業者や事情が絡むことから仕方がない部分もあり、調整が難しいと思いました。

エキナカって皆さんが思われている以上に自販機だけでも多くの作業をしていて、毎日工事で場所を移動させたり、外したり設置したりということが常に行われているので、実験期間中に環境の変化が発生しない場所を見つけるだけでも大変なんです。ましてや、お客さまがある程度利用しそうな場所で、かつ1ヶ月移設や撤去の作業がなくて80台分確保するというのは、非常に難易度が高かったですね。」

分別意識を高めたい!エキナカで、リサイクルボックスの実証実験開始

人々の意識を変えるのは、なかなか難しいという印象を持ちますが、どのような想いや苦労がありましたか?


「人の意識を変えることは、非常に難しいとしみじみ思います。1ヶ月の実証実験だけでは不充分です。

しかし、こうした取り組みを続けることで、最終的にお客さまの心の中にもリサイクルへの意識が根付くのではないかと思っています。その意味では、弊社が単独で実施するだけでは難しくて、最終的にはJR東日本グループ全体や社会全体で取り組むべき問題といえるでしょう。」


大きなムーブメントを作るためには、皆が自分事として取り組める仕組みが必要そうですね。


「例えば、昔は街中でタバコを吸うことや歩きタバコも当たり前でしたが『駅内では吸えません』『レストランでは吸えません』という動きを社会全体で取り組んだことで、現在の姿があります。

社会全体の変化に繋がるまでには多くの時間がかかりますし、1社だけの取り組みでは弱いと思っています。社会全体の流れにしていくためには、小さな動きがすごく重要で、それがいくつも集まって継続的に実施した結果、最終的に大きな流れが生まれるものだと思います。

ですので、 今すぐには結果が出なくても、諦めずに志を持って継続することが大切なんです!

「自分一人だけじゃ……」と思わせない!今後のリサイクルボックスに求められるもの

分別意識を高めたい!エキナカで、リサイクルボックスの実証実験開始

世の中でリサイクルを当たり前にする流れを生むのは、生半可なことでは実現できないと思いますが、どのような見解をお持ちでしょうか?


「難しい取り組みではありますが、統一規格のようなものができれば、お客さまからもわかりやすく効果も出やすくなるのではないかと思います。

一人ひとりの意識が変わる必要があって、変わるためには気づかなきゃいけない。しかし、今はまだ気づいてすらいない状態です。

まずは気づいてもらって、その気づきをもとに一人ひとり意識を持って行動してもらうのが重要だと思っています。

行動の理由は『環境を守るために』『未来を変えるために』といったポジティブなものばかりじゃなくてもいいと思っています。例えば『人の目が気になる』『そういう行動すると恥ずかしいから』といった理由でもいいでしょう。

何かしら自分なりの理由ができて行動が変わっていくことが、最終的にサスティナブルな社会へつながっていくのだと思います。『自分一人だけじゃ……』と思わずに、意識して行動を変えていくことが重要なんです。

一人ひとりの意識を変えて未来を変えよう

分別意識を高めたい!エキナカで、リサイクルボックスの実証実験開始

今回の実証実験で、人々の意識を変えるのは難しいと痛感した「みさと」さんが、皆さんに伝えたいメッセージとは?


「ペットボトルなどの飲料水は買って飲んだら終わりでその先にはなかなか意識がいかないと思うのですが、自分が消費したものが最後にどうなるのかっていうのをちょっとでも考えてもらって、気づいてもらえたら行動が変わると思います。

今まではトラッシュボックスがあったら、すぐにポイって捨てていた方が、一瞬でもいいから立ち止まって『これは本当にここに捨てていいものなのか?』と考えて利用してもらえるようになったらうれしいですね!」


我々一人ひとりのちょっとした行動で世の中が変わるなんて、ちょっとワクワクします。しかし、それと同時に、身が引き締まる思いですね。

エキナカや街でリサイクルボックスを利用する際には「みさと」さんの言葉を思い出し、自分の行動が作る未来に想いを馳せてみるのはいかがでしょうか。

COLUMN

商品・自販機以外もアキュアの魅力は盛りだくさん!

今回のリサイクルボックスなど、アキュアの裏側は知れば知るほどその奥深さが理解してもらえると思います。アキュアラウンジでは中の人しかわからないマニアックな情報を、他にもたくさんコラムで展開していますので、ぜひチェックしてみてください!

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