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<エキナカ >のオアシスをつくる----綿密さ・繊細さを持ち合わせる"物流畑"の職人たち

2018.12.20

*** 記事の内容は作成時のものであり、最新情報とは異なる場合がありますのでご了承ください。***
※記事の内容は作成時のものであり、最新情報とは異なる場合がありますのでご了承ください。

<エキナカ >のオアシスをつくる----綿密さ・繊細さを持ち合わせる

さまざまな仕事・働くことの"リアル"に迫る連載「違うけど、同じかも。」。ジャンルは違えど、仕事人たちの働く姿勢や想いを知ることは、自分が仕事をする上で良いヒントになることがきっとある――。今回は「物流」の世界にフォーカスします。

「物流」と聞くと、力仕事と思われがちかもしれません。が、実は計画性や正確性、コミュニケーション力が問われる綿密・繊細な一面も。さらに、物流のなかでも"特殊中の特殊"といわれる「自販機設置の監督業務」に従事するお二人、ジェイアール東日本物流・京葉流通センターの栁田(やなぎだ)健二さんと本多淳次さんにお話を伺います。

鉄道のレールからお菓子まで。同社が担うのは“特殊”な駅と鉄道の物流のすべて

<エキナカ >のオアシスをつくる----綿密さ・繊細さを持ち合わせる

栁田さん(写真右)は、JR東日本管内の駅への飲料配送などを皮切りに、自販機関連業務一筋・13年という大ベテラン。本多さん(写真左)は、20代後半で異業種から転職、エキナカの飲料や旅行パンフレットの配送などに携わること12年ののち、2年前から栁田さんと同じ「自販機設置の監督業務」を担当しています。

勤めるのは、千葉県市川市にある京葉流通センター。総面積は5,106坪と広大な敷地を有するその理由は、商品の保管・管理といったデポジットセンター(DC)機能も備えているから。首都圏エリアの駅に向け、毎日、3tトラック80台が24時間フル稼働しているそうです。

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「大きなものでは、鉄道のレール運搬から、小さなものは駅の売店で販売するお菓子や雑誌・新聞、駅で働くスタッフの制服などがあります。駅は特殊な場所。業務にあたっているのは、その性質や特徴を知り抜いているスタッフたちです(栁田)」

同センターの概略図(写真上)を見ても、取り扱う商品の幅の広さが見て取れます。

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「駅舎改築の際は移転や引っ越しも担います。東京や品川、上野などのターミナル駅では手荷物預かり所の運営も。業務自体は幅広いですが、すべて『駅のサービスを充実させる』という考えに基づいています(本多)」

首都圏の駅で“便利”を感じられるのは、ここで働く人たちのプロの仕事があってこそだったのです。

駅ならではの“事情”、その中で行う “特殊”な仕事

<エキナカ >のオアシスをつくる----綿密さ・繊細さを持ち合わせる

「駅は特殊な場所」と、お二人からも繰り返し出てくるのが“特殊”というキーワード。

「一般の商業施設などでは、お客さまが通る場所と物流の動線とが分かれていることがほとんどですが、駅にはその区別がありません。そういう意味で“特殊”なんです。鉄道や商業施設を利用するお客さま第一ですから、ご迷惑にならないようエレベーターを使用しない、点字ブロックの上は通らないなど、安全に運ぶための厳しいルールがいくつもあるのです(栁田)」

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駅内のテナントへの配送も、駅構内では、たとえ短い距離だったとしても必ず同社が担当します。そこには、エキナカを知り抜いた技術があるからこそ。

とはいえ、あの大きな自販機が運ばれている姿はあまり見かけません。実はそれには理由がありました。

「わたしたちが駅構内で作業するのは、終電の後から始発前までの深夜帯なのです(栁田)」

安全管理は「準備9割、現場1割」。しかし1割の“集中力”が半端ない

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「自販機設置の業務は駅を対象とした物流の中でもさらに特殊だといわれます。なぜなら、運ぶモノが大きく、重い。最低でも300kg、要冷蔵のチルド商品を扱う自販機に至っては400kgにも。少しの間違いが命取りになる危険な作業です(栁田)」

昨今では、新たに設置するだけでなく、新機種への入れ替え、駅工事にともなう移動の要請なども増えているそう。たとえ数センチの移動だとしても、栁田さんや本多さんら安全管理業務の担当者が必ず立ち会います。

「グッと押してずらすだけなら簡単ですが、そうはいきません」と、本多さん。

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たとえば、ホームをよく見ると、かまぼこ状に中央が少し高くなっています。これは、雨水などでホームが水浸しにならないよう、設計されているため。よって、たとえ数センチとはいえ、移動することで自販機の水平が損なわれてしまうことも。

「自販機が倒れたら、それこそ大事故に。ですから、わずか数センチ、数ミリの移動だとしても、新たに設置するときと同様のチーム編成で、細心の注意を払って作業を行います(本多)」

新たな設置やホーム間の移動時は、さらに慎重さが求められます。というのも、作業にはエレベーターは使用不可、階段で運ばねばなりません。何百kgもある自販機を、小さな昇降機1台と数人がかりで運搬するのです。

<エキナカ >のオアシスをつくる----綿密さ・繊細さを持ち合わせる

「たとえば自販機1台の入れ替え作業だと、作業員は最低3人、順調に作業できても1時間半はかかります。やはり自販機を階段昇降させているときがもっとも緊張します。安全に作業を終えて、作業員たちを無事に帰すことがわたしたちの使命です(栁田)」

ミリ単位が、命に関わることもある——そんな現場を、冷静に俯瞰・チェックし、安全に作業を遂行。目を凝らし、1秒たりとも集中を途切らせることなく、危険を未然に防ぎます。

「いわば『鳥の目』的な役割。声を掛け合うなど、作業員のみなさんとのコミュニケーションが大切です(本多)」

作業は事故防止の観点から「自販機設置ガイドライン」に沿って行われ、現場ではガイドラインの“ルールを守る”ことが徹底されます。そのためには、綿密な準備が重要で、「安全管理は準備9割、現場1割」ともいえるほどだとか。

駅は“生き物”——千変万化の環境での大敵は「焦り」

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準備業務は、主にオフィスで。現場や設置会社と調整しながらの綿密なスケジューリング、業務内容の確認など、ここで間違っては後の作業に大きく影響するため、眼差しは真剣そのものです。

<エキナカ >のオアシスをつくる----綿密さ・繊細さを持ち合わせる

駅の搬入口や改札は、物を運ぶために設計されているわけではなく、サイズもまちまち。さらに、改装や工事の影響で変更も多く、昨今では自販機自体も、その進化とともにサイズも大きくなってきています。

綿密に準備していても、予定通りにいかないこともしばしば。しかし、準備をしておくことで、当日の急な変更にも対応しやすくなる、といいます。

<エキナカ >のオアシスをつくる----綿密さ・繊細さを持ち合わせる

「駅は日々変化する“生き物”のようなもの。毎晩、どこかで工事が行われ、作業当日でも数時間のうちに状況が変わることも日常茶飯事です(本多)」

過去には、わずか30分の間に別の工事が進んでしまい、ホームが穴だらけに。予定していた自販機を運ぶ動線が取れなくなってしまったことも。また、天候の変化に左右されることもあり、ホームに雨や雪が吹き込んで一瞬で滑りやすい状態になると作業を中止せざるを得ないなど、まさに千変万化です。

「しかし、いかなる状況でも“焦り”は禁物。なにがなんでもやろうという無理をするのは事故のもとですから、ときには作業を中止することもあります(栁田)」

しかも、作業を行う深夜帯は空調が止まっています。夏場の地下コンコースはまるで蒸し風呂状態に。「『1分でも早く終わらせたい』と焦り気味になりますが、それがミスのもと。あえて『おーい、ひと休みしようや』と声をかけて水分補給の時間を作ります(本多)」

<エキナカ >のオアシスをつくる----綿密さ・繊細さを持ち合わせる

作業に夢中になるあまり生じる体と心の焦りを和らげる、さりげない気遣いやコミュニケーション。これはガイドラインには書かれていません。安全を第一に考え、数多くの現場を経験してきたからこそ身についた技術=職人技、といえるでしょう。

どんな現場でも「基本のキ」を忘れず、お客さまにとっての「オアシス」を作り続けたい

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そんな、いまでこそ頼りがいのあるお二人。ですが、もちろん新人の頃がありました。

<エキナカ >のオアシスをつくる----綿密さ・繊細さを持ち合わせる

栁田さんは、「かつては、大勢のお客さまが行き交う日中に作業することもあり、『自販機が通ります!』と大声を出すことが恥ずかしかったですね」と若手の頃を振り返ります。

<エキナカ >のオアシスをつくる----綿密さ・繊細さを持ち合わせる

本多さんは、鉄道研究部に所属していた高校時代からの鉄道ファン。転職してきた当時には、「駅に配送する仕事は、知り合いにばったり会ってしまうのが嫌だ」という理由で職場を離れていった同僚も。しかし当の本多さんは「大好きな駅で、ノドが渇いているお客さまにオアシスを届けている。この仕事に誇りを持っています」と胸を張ります。

<エキナカ >のオアシスをつくる----綿密さ・繊細さを持ち合わせる

何度、現場に立ち会っても、「経験したことのない困難やトラブルはつきもの」だと言うお二人。そんなときは、必ず周囲を見渡し、基本のキに立ち返ることが大切なのかもしれません。

上の写真は、オフィスの玄関口に掲示されている「個人目標」。社員みなさんそれぞれによる、手書きの短冊たちです。数あるなかから、お二人のものを見つけました。

「現場の下見、設置会社への指示の徹底。業務を確実に遂行する(栁田)」、「自販機設置の立ち会い時、周囲の状況をよく確認。お客さまと話をする際はなるべく身体の向きを正対して失礼のないようにする(本多)」——これはお二人にとって、目標でもあり、“基本のキ”なのですね。

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現在、お二人と同じ業務に携わっている部署のメンバーは全部で6人。仕事の悩みはなんでも相談できる関係で、風通しの良さが自慢、といいます。最後に、この仕事への想いを伺いました。

「何ごとにもおおらかだった昔に比べ、今は安全面でもかなりシビアになりました。2020年に向けて駅の様子も変わるでしょう。これまで以上に緊張感を持って現場に立ち会いたいです(本多)」

「お客さまが<アキュア>の自販機でドリンクを購入されている姿を見ると、わたしも社会を支える一役を担っているという誇らしい気持ちになります。これからも、自販機を間違いなく安全にお客さまへ提供できるように努力していきます(栁田)」


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「オフを大事にすること」は、「オン=“確かな仕事”につながる」——オフの過ごし方は異なれど、ポリシーは共通!

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普段は、集中と緊張の現場で活躍するお二人に、週末の過ごし方を聞くと、まったく違った答えが。

栁田さんは、アクティブ派。「フィットネスクラブで軽く汗を流して、サウナでさっぱりしたあとの“一杯”が何よりのご褒美(笑)」。ときには、気が置けない仕事仲間と一緒にゴルフに行き、おもいっきりスイングしてリフレッシュ。

一方の本多さんは、写真のとおり、3年半ほど前から男性コーラスグループの一員として活動しています。「バスパートです。学生時代に男声合唱に出合い『社会人になったら、やってみたい』と密かに思い続けていました。日本語だけでなく、ドイツ語、ラテン語の歌も覚えます。大声を出して、ストレス発散です」とのこと。

休日の過ごし方はまったく違っても、「オンとオフの切り替えを意識している」と口を揃えます。普段の仕事では集中力を絶やすことがない分、休みの日にはしっかりとリフレッシュ、が大切、というわけです。これはわたしたちも参考にしたい、プロとしてのテクニックかもしれません。

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