JR東日本の駅にある自動販売機の数は8261台（※1）。その中には絶景に佇むものからレア駅に設置されたものまで、さまざま。今回はそんな身近な駅の自販機の小ネタをご紹介します。

トップ画像は、“モグラ駅”こと群馬県利根郡にある土合駅（上越線）。同駅は、駅舎と下りホームの高低差が80m以上！　地上の改札を出るまでに、全486段の階段を登らなければなりません。

そんな土合駅の「アキュア自動販売機」は、改札外に1台。同駅は群馬・新潟両県にまたがる谷川岳への入り口となっているため、利用者は主に登山者です。そんなワケで頻繁に利用されるのは登山時期。7・8月の夏休みシーズンに大活躍という、山にありつつ海の家のような自動販売機なんです。

ちなみに一番人気の商品は、予想通りのスポーツ系飲料です。海の家のようとは言っても、もちろん1年中稼働中。今日も、“モグラ駅”を訪れた方々に、階段をクリアし地上に出た喜びとともに、潤いをお届けしています。

神奈川県小田原市の根府川駅（JR東海道本線）は、鉄道好きには言わずと知れた有名スポット。赤く美しい白糸川橋梁近くの無人駅で、関東大震災時に波間へと消えた1番線ホームは、いまも海底に沈んでいます。またアニメ『ラブライブ！』に登場したことから、聖地巡礼として訪れる人も。

写真は、そんな数々のエピソードを秘めた根府川駅のホームから見た景色。自動販売機は、2・3番線ホームの改札外設置されています。向かいの4番線ホームの向こうに広がるのは、一面の海！　まるで、青春映画に登場しそうな絶景なんです。

コチラの自動販売機で人気なのは、ビタミン補給系飲料と水、ホットのコーンポタージュ。青春映画のワンシーンならば、友人と一緒の下校時、そろって爽やか系飲料を飲みながら、電車待ちのおしゃべりをするのでしょう。そして、アイツが部活で遅い冬の日には、ひとり潮風に吹かれながら、コーンポタージュの缶で手を温めるわけです。ときにはあの子に、「テスト前にノート貸したよね？　お礼に1本おごって！」なんて、ねだられちゃうのかも……。

絶景駅は数あれど、そこに自動販売機があるだけで、ドラマが見えてくるのは摩訶不思議。青春時代のトキメキを取り戻したいときにも、自動販売機のチカラ（!?）を借りてみてはいかがでしょう？

“山手線の秘境”と呼びたいのが、田端駅。1日の乗車人員数は山手線29駅中26位、「アキュア自動販売機」設置台数は29駅中17位と、データで見る分には普通なのですが……。

写真の南口をご覧ください。実はココ、山手線内で唯一の無人改札。近隣には、コンビニエンスストアすらなく、夕方以降は少し寂しげ。しかし、朝はなんとも清々しい光景広がります。青空にポツンと映える駅舎は、東京の喧噪をすっかり忘れさせてくれるではありませんか……！

そんな田端駅の自動販売機では、「朝の茶事」＆缶コーヒーの人気が高め。みなさん、朝の景色を眺めながら一服しているのかも。「アキュア自動販売機」が提供するのは、便利・美味しいだけにあらず。「いまココで、コレが飲みたい！」をしっかり支えているんです。

2016年12月から東京駅に設置された最新機種「バッテリー式自動販売機」。こちらがスゴイのは、機体にバッテリーユニットが接続されていること。外部から電源を取ることなく、バッテリーの電力によって約24時間の稼働ができるんです。
従来の自動販売機は、設置時に駅の配線工事が必要でしたが、コレなら手間＆コストが大幅にダウン。イベントや大型連休時に増設したり……と、多くの可能性を秘めています。さらに、大容量の電気供給ができるため、災害による停電時でも稼働可能。今後、どんなシーンでお目にかかることができるか、乞うご期待！

2016年3月からおトクが実施されているのは、「Suica 電子マネー専用自販機」。割引に必要なのは、Suicaなどの交通系電子マネーだけ！

交通系電子マネー決済オンリーのこの機体のドリンク価格は、交通系電子マネー・コイン併用の一般的な「アキュア自動販売機」と比べ、全品5円引きになっているんです。「Suica 電子マネー専用自販機」を見つけたら、ぜひ“おトク”を満喫してください。

自然＆季節を感じさせる、ナチュラルテイストの自動販売機「ナチュラキュア」。女性のお客さまに、駅で「さあ、今日も一日頑張ろう」と気持ちを切り替えてもらうために生まれた機体です。

そのため、扱う商品もチョットだけスペシャル。「自然」「本格」「季節感」「素材感」というキーワードで厳選し、通常機にはない「ナチュラキュア」向けドリンクも陳列されています。加えて、ヘルス＆ビューティを気遣い女性にうれしい、常温ドリンクも陳列！

また、女性アーティスト・はしもとみおさんの水彩画には、いくつかのデザインが。さまざまな動物たちがお迎えしてくれるので、普段は行かない駅にお出かけの際は、「ナチュラキュア」を探してみてはいかがでしょうか。

一般的には無機質なイメージの自動販売機ですが、「アキュア自動販売機」には“おもてなしの 心”が搭載されているという噂が……。ボタンがまん丸のものが、その機種。この大きめボタンには、瞬時にわかるよう、価格表示・COLD/HOT・準備中ランプのすべて集約されているんです。光が当たってもランプが見やすいよう、輝度は高め設定。ボタン間の幅は広めで、選びやすさも抜群。

さらには「売り切れ」という業務的なワードを避けて「準備中」と表示し、文字はやわらかイメージのフォント。ボタンのライトが点滅する際には、ゆっくりとおだやかです。言葉使いから所作（!?）までやさしげで、例えるならば、やまとなでしこ！

いざドリンクを取り出すときにも、“おもてなしの心”を感じることができるはず。取り出し口部分が、通常の機体よりも7㎝前に出ており、なるべく屈まずに取り出せるようになっているんです。みなさん、気付いていましたか？

次回「アキュア自動販売機」を見かけた際には、ボタン・取り出し口と合わせ、機体の色もよーく見てみて。遠目にはホワイトに見えますが、実はごくごく淡い紫色。これは風呂敷をイメージしたカラーで、「商品を風呂敷で包んでおもてなし」という意味が込められているんです。

みなさまのもとに届くドリンクに思いを込めて……。今日もアチコチの駅に佇む「アキュア自動販売機」、ぜひ注目してみてくださいね。

今回ご紹介したアキュア自販機については、下記関連リンクでご確認ください。

※1　2016年11月末時点
※2　JR東日本「2015年度1日平均の乗車人員」より
※　 各駅の人気商品は、2015年11月〜2016年10月のデータに基づいています。
※　 「アキュア自動販売機」で購入できるドリンクは、駅・時期により異なります。
※　 機種の設置駅は、随時更新されています。

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