約256万台もの飲料自販機が普及している日本。年間売上金額は約2.2兆円にものぼり、世界一の自販機大国といわれています。
エキナカやマチナカ、オフィスの中など、街の至るところに置かれている日本の自販機ですが、外国の方からすると、驚くことがたくさんあるのだそう。今回は、日本で暮らす3人の外国の方々に、母国(中国・アメリカ・フランス)との違いを聞いてみました。私たちが気づいていない、日本の自販機の素晴らしさとは!?
いつでも、どこにでもある自販機――それは日本だけの“常識”だった!?
左からギョーウさん(中国出身)、グレゴリーさん(アメリカ出身)、ファニーさん(フランス出身) ※以下敬称略
日本ではマチナカにあふれている自販機ですが、外国では一体どのような場所に置かれているのでしょうか?
ギョーウ「私は上海の出身なのですが、2010年の上海万博を機に、一気に自販機の数が増えました。ただし、エキナカやマチナカで見かけるようになったのはごく最近の話。中国で自販機が置かれている場所といえば、学校や観光地が代表的です」
グレゴリー「アメリカにもたくさん自販機はあるけれど、日本ほどではないですよね。主に置かれているのはショッピングモールの中。壊される危険性があるので、エキナカやマチナカにはありません」
ファニー「フランスも、学校やエキナカといった施設の中が基本。自販機だけが並んでいる防犯カメラ付きの“自販機ショップ”というのはありますが、お店の前やマチナカといった屋外には置いてありません」
どうやら、日本の自販機台数の多さは、治安の良さにも関係しているのかもしれません。
当たり前だと思うなかれ! ホットとコールドドリンクの共存は技術の賜物
設置場所のほかにも、日本と外国の自販機に違いはあるのでしょうか?日本に来て驚いたことを聞いてみたところ、ある意外な違いがあることがわかりました。
ギョーウ「温かいものと冷たいものが同じ機体で買えるというのがすごい! 中国では、ホットとコールドはそれぞれ別の自販機で売っているので、“さすが日本!”と思いました」
グレゴリー「そうそう。アメリカは冷たいドリンクばかりなので、日本に来て、ホットドリンクが売っているのを見た時は驚きましたよね。あとは、コーヒーや紅茶、ジュース、お水など1台にいろいろなものが売っているのもいい! 何かしら自分の欲しいものが売っています」
ファニー「フランスもペットボトルや缶のドリンクは冷たいものだけ。ホットドリンクはカップ式の自販機にしかありませんね。日本の自販機は両方とも売っているし、どこにでもあるし、すごく便利ですよね」
日本人にとっては当たり前のことですが、温度の違うドリンクを1台の機体で供給できるということは、外国の方からすると珍しいことなんですね!
外国では自販機に「商品見本」がないことも!?
※アメリカの自販機
日本の自販機との違いを聞く中で、アメリカ出身のグレゴリーさんが特に驚いたのが商品見本の違いだとか……。
グレゴリー「アメリカの自販機はボタンしかないタイプのものが多く、日本のように商品見本がありません。ボタンの横に商品ロゴが付いていることはありますが、パッケージが見られないため、その商品を知らない人だと困ってしまうかもしれませんね」
日本の自販機では商品見本があるので「初めて目にするドリンクであっても、どんな飲み物なのか」がイメージしやすいようです。これは、商品ラインアップが豊富な日本ならではの心遣いなのかもしれません。
フランスではドリンクが出てこないこともしばしば!?
ファニー「フランスでは“お金を入れたのにドリンクが落ちてこない”なんてこともしょっちゅう。そういう時は、大抵途中で商品が引っかかってしまっているので、機体を叩いたり、ゆすったりして対処します。興奮して、つい力が入ってしまう人もいるようで、よく壊れた自販機を見かけますね。私自身、買ったドリンクが出てこなくて、機体を叩いた経験が何度かあります(笑)」
日本の自販機はディスプレイが割れているどころか、むしろとてもキレイですよね。これは、商品を補充するオペレーターの方が巡回しながら、いつも自販機をキレイに保ってくれているからのようです。中国出身のギョーウさんは、トラッシュボックス(ゴミ箱)が自販機のすぐそばに置かれているのにもビックリしたとか。こうした部分にも日本人らしい細やかな配慮が光っているようです。日本人にとっては当たり前の自販機ですが、外国の方から見ると日本の自販機は独自の文化の一つとも言えるかもしれません。
多彩なラインアップの中から外国人が選んだドリンクとは?
外国の方々は、日本の自販機の中から、一体どんなドリンクをセレクトするのでしょうか?
ファニー「フランスの自販機では炭酸ドリンクが主流でしたが、健康的ではないのでまったく飲みませんでしたね。日本でも炭酸ドリンクは買わずに、毎日お水を買っています」
グレゴリー「私が好きなのはミルク入りのコーヒーやミルクティ―。コーヒーも紅茶もミルクが入っているものが好きなんですが、砂糖が入っているものは不健康なので、特にコーヒーは無糖のものを選んでいます」
ギョーウ「私は気になったものはどんどん試すタイプ! 甘いドリンクや炭酸ドリンクも飲みますが、最近ちょっと体型が気になってきているので(笑)、体脂肪にいいというお茶というのも気になります!」
話を聞いていると、みなさん健康への意識が強いことが感じとれました。日本の自販機でも無糖のものや0カロリー、トクホなどの商品を見る機会がぐっと増えましたが、健康や体型の悩みは、やはり万国共通のようです。
訪日外国人客は思わず二度見!? 日本を味わう自販機。「Art Museum acure」
「母国にいた時はあまり自販機を使ったことがなかった」と話すみなさんですが、日本で暮らすようになってからは、ほぼ毎日利用するようになったといいます。
そんな世界に誇る我らが日本の自販機ですが、より外国の方にとって日本の文化を味わえる自販機がJR東日本のエキナカに登場したことはご存知ですか?その名も「Art Museum acure(アート ミュージアム アキュア)」!
提供元のJR東日本ウォータービジネスの方に聞いたところ、訪日外国人客の方々におもてなしの心をこめて「自販機を通じて、もっと気軽に日本の魅力や、地域の良さを味わってほしい」――そんな想いから、プロジェクトがスタートしたそうです。
「Art Museum acure」が設置されているのは、現在、秋葉原駅、池袋駅、新宿駅、東京駅など。今後は、首都圏の観光地最寄り駅や移動拠点駅を中心に2018年3月末までに計30台へ拡大してく予定だとか。キャンバスに見立てた機体に、日本の伝統が伝わるようなアーティスティックなデザインが描かれているのが目印。第1弾は水墨画アーティスト・茂本ヒデキチ氏とのコラボレーション。臨場感あふれる独特のタッチが目を引きますね。
ギョーウ「わあ!中国には、こういったデザイン性のある自販機がないのでビックリですね。これは、見かけたら、間違いなく写真を撮りにいっちゃいます(笑)。SNSにアップしたら、みんな“いいね!”をしてくれそう!」
グレゴリー「日本はいろいろなデザインの自販機があってすごいですよね。アメリカはとてもシンプルな機体なので。このデザイン、すごく日本的で、いいですね!」
ファニー「私もかっこいいと思います!自販機のデザインにまでこだわるなんて、さすが日本。フランスではちょっと考えられません」
Art Museum acureは、商品ラインアップにもおもてなしの精神が!
さて、こちらの自販機はラインアップも外国の方々を意識しています。外国でも認知度の高い商品や、「緑茶」など、日本ならではの商品が並びます。訪日外国人客の上位がアジア圏の方であることから、冷たいドリンクを好まない台湾や中国、香港などの東洋人女性を意識した“常温ドリンク”も扱っているそうです。
今回、外国の方々からいろいろ話を聞く中で、日本の自販機には、商品ラインアップや機能、そしてデザインに至るまで、日本ならではの細やかな配慮やサービスが施されていることを知り、驚きました。普段何気なく利用している自販機ですが、改めて注目してみると、日本の技術力の高さや、おもてなしの心に気付けることでしょう。
※「Art Museum acure(アート ミュージアム アキュア)」をはじめとしたアキュアの自販機で購入できるドリンクは、駅・時期により異なります。
※「Art Museum acure(アート ミュージアム アキュア)」をはじめとしたアキュアの自販機の設置箇所は、随時更新されます。
◆問い合わせ先
広告主名:株式会社JR東日本ウォータービジネス
広告主連絡先:東京都渋谷区恵比寿南1-5-5 JR恵比寿ビル9階 電話番号:03-6853-6001
媒体名:アキュアラウンジ
COLUMN
日本を味わう自販機。Art Museum acure <アート ミュージアム アキュア>
「自販機を通じて、もっと気軽に日本の魅力や地域の良さを味わってほしい」――そんな思いを実現すべく立ち上がった自販機アートプロジェクト。エキナカを利用されるお客さまはもちろん、外国からのお客さまにもご利用いただけるように青森りんごシリーズなどの地産飲料をはじめ、こだわりの商品ラインアップをご用意しています。さらに、側面に描かれた水墨画の中には「a」「c」「u」「r」「e」の文字が隠されています。ぜひ探してみてくださいね!