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思わず買ってしまうのは、このせいだった?!商品以上にその魅力をアピールしているかもしれない「商品見本」の奥深い世界へようこそ!

2017.3.24

*** 記事の内容は作成時のものであり、最新情報とは異なる場合がありますのでご了承ください。***
※記事の内容は作成時のものであり、最新情報とは異なる場合がありますのでご了承ください。

思わず買ってしまうのは、このせいだった?!商品以上にその魅力をアピールしているかもしれない「商品見本」の奥深い世界へようこそ!

「のどが渇いたなぁ」って思って、ふと自販機の前に立ったとき、何を買うか...あなたはどうやって決めてますか? どんなものが飲みたいかは漠然と思い描いていても、実際に何を買うかは、自販機のラインアップを一通り眺めて、その場で決めるという方も多いのではないでしょうか? そんなとき、必ず目にしているのが「商品見本」。普段意識せずに目にしているこの「商品見本」、実は細かな工夫やこだわりがぎっしりと詰まった奥深い世界なのです!

「商品見本」最大の武器は、飲みたくなる味わいのアピール

さて、ここであらためて…自販機の「商品見本」って、何でしょう? そう、購入する製品のイメージを伝えてくれるものですよね。現物や印刷されたフィルムを缶の形状にかぶせてある商品見本を見たことがある人もいるかもしれません。でも、現在の「商品見本」は、そうしたこれまでのものから格段の進化を遂げているんです!

思わず買ってしまうのは、このせいだった?!商品以上にその魅力をアピールしているかもしれない「商品見本」の奥深い世界へようこそ!

「商品パッケージだけでは伝えきれない味わいまでもビジュアルで効果的に伝えること、それがこうしたダミーを作る上での命題ですね」と語るのは、飲料の「ダミー」=「商品見本」の制作を多く手がける土屋工業株式会社の設計担当、和山達也さん。広告業界などで"シズル感"と言われ、写真や映像で食べ物、飲み物を表現する時に、見ている人が思わず「おいしそう!」と感じてしまう“五感を刺激するアピール”、これが商品見本の最大の武器です。

例えば、今回サンプルとして見せていただいた「青森りんごシリーズ」の場合には、キャップの部分にりんごの形状を模したPOPが追加され、そこに「コクのある甘み!」、「爽やかな甘み!」といった各製品の味わいの特徴を伝えるコピーがプラスされています。これを見ることで実際の製品イメージだけでは伝え切れない味覚、おいしさまでも伝わってくるというわけです。

単なる見本じゃない! マーケティング・ツール化していく、「商品見本」最新事情

思わず買ってしまうのは、このせいだった?!商品以上にその魅力をアピールしているかもしれない「商品見本」の奥深い世界へようこそ!

作られた「商品見本」をさらによく見てみると、「2016年産ストレート果汁100%」というコピーで商品の特性を強調してアピールしていたり、商品によって背景色が変えられていたり、と、視覚的なインパクトが強まっているのに気がつきます。

つまり、現在の「商品見本」の役割は、単に製品のイメージを伝えるだけじゃない! ということ。より目立つようにシズル感、デザイン性を付加したマーケティング・ツールとして機能しているというわけです。そのために、「青森りんごシリーズ」の背景色で言えば、同じ商品でも、背景色の変化で新しさに気づいてもらえるよう、毎回発売されるたびに同じ色を使わないようにするなど、シリーズを通じてあらかじめプランニングされているのだそう。

ちなみに、「商品見本」は自販機にセットされるわけですから、正面しか見せることができません。ですが、商品そのものには、裏面に成分やこだわりなどが記載されていますよね? というわけで、「商品見本」では、商品のパッケージの裏面にある情報をPOPとして付け加えるなどの工夫も。自販機を前にして、「あ、これ、おいしそうだから買ってみようかな」って思った衝動買い、実はこうした「商品見本」の奥深いプランニングの効果なのかも?!

一筋縄ではいかない、立体成型の難しさ

さて、そんな飲料の「商品見本」がいったいどう作られるのかを見てみましょう。普段は入れない工場にお邪魔しての取材ですから、これはかなりレアです!

「商品見本」製造の工程は、デザイン、印刷、成型という流れ。まずは、クライアントから提供される製品パッケージにPOP要素などを加えて平面状でデザインし、次にそれを立体の商品サンプル用にデザインし直します。そのデザインを基に、今度は版画のような版を色ごとに作成して、何版も重ねて印刷。そのシートを立体成型し、切り分けると「商品見本」が完成するというわけです。

一見シンプルに思えるこの工程ですが、実は非常にデリケートで難しく、「最初から思ったとおりの文字や色に仕上がることはまずないです(苦笑)。どう修正していくかが腕の見せどころです!」と和山さんは言います。

印刷は、自販機内でも熱や直射日光によって劣化しないよう、素材、インクも厳選してシルク印刷で一色ごとにすり重ねていく。少ない版の組み合わせでいかにリアルに色を再現できるかも和山さんにとってのチャレンジ。 印刷は、自販機内でも熱や直射日光によって劣化しないよう、素材、インクも厳選してシルク印刷で一色ごとにすり重ねていく。少ない版の組み合わせでいかにリアルに色を再現できるかも和山さんにとってのチャレンジ。

というのも、印刷されたシートは立体にする際に真空成型という方式で熱をかけて延ばされます。そのため、シートが延ばされた分だけ、文字のバランスも色味も変わってきてしまうのです。このように、製作工程上、とくにシートの形状変化によるシートの伸び方は、見た目に大きな影響を与えます。最終的に立体として成形されたときに正しく、かつ、もっとも美しく見えるように、配慮に配慮を重ねて平面上での設計を手がける。これが和山さんの仕事のハイライトのひとつです。

成形用の型。縦書きの文字がきちんと表現できるよう、実際の製品よりゆるやかな形にされているなど、改良がなされている。 成形用の型。縦書きの文字がきちんと表現できるよう、実際の製品よりゆるやかな形にされているなど、改良がなされている。

たとえば、原材料が青森りんごだけで作られている「青森りんごシリーズ」。2010年にスタートし、現在は第7弾が販売中の人気シリーズですが、第6弾からパッケージに記載されている商品名がそれまでの「横書き」から「縦書き」に変更! これにより、それまでの型では、側面の文字が読みづらくなってしまうというアクシデントが…。そのときには、成型の型そのものを変更し、従来よりも緩やかな形状にすることで、きちんと読めるようにしたそうです。

こうした飲料の「商品見本」の制作は、「印刷の仕上がりと成型の仕上がり、どちらも犠牲にはできないところがこの仕事の難しいところです。」と和山さんが言うように、一筋縄ではいかない難しさなのです。「裏を返せば、その双方を両立させ、デザイナーがあげてきた平面状のデザインを、できるだけ少ない版できれいに再現し、きっちりと立体物に仕上げられたときには、この仕事の醍醐味を感じますね。」

商品見本にとどまらない!? 間違い探しのようなその正体とは?

「商品見本」は、とことんリアルを追求していると思いきや、実際には文字をきちんと見せるため、製品とあえて異なるデザインを施す場合もあるとのこと。特に正面からしか見られることのない「商品見本」では、その真正面からのアングルでしっかり文字情報が見えるよう、バランス調整をするそうです。

立体成型する前、印刷されたシート。よくよく見ると、文字やデザインが微妙に調整されていることがわかります。 立体成型する前、印刷されたシート。よくよく見ると、文字やデザインが微妙に調整されていることがわかります。

なるほど、そう言われてみて、立体成型する前の印刷されたシートをよーく見てみると、確かにボトルの下の部分にある「ストレート果汁」の「ス」の文字が、他の文字に比べてほんの少し小さくなっていることに気づきます。

また、「コクのある甘み!」というコピーが記載されている部分にもご注目! 平面のデザインではすこーしゆがんでいるように見えますが、立体となったときに、ふっくら丸みを帯びたりんごに見せるための微調整なんです。そしてコピーの上にある逆三角形の茶色の部分は…そう、もうおわかりですね。これが成型されると、中央がキュッとふくらみ、りんごの「ヘタ」部分になるというわけです。

作り手のこだわりが詰まった「商品見本」の奥深い世界

工場で刷り上りの状態をチェックする和山さん。 工場で刷り上りの状態をチェックする和山さん。

「マチナカ、エキナカ…たくさんの自販機がありますよね。歩いていると、ついつい自販機を見てしまいます。職業病ですね(笑)。なかには、どうやったらこんなにきれいに作れるんだろう…って思うようなものに出会うこともあり、じっくりチェックしちゃいます。『あの人、買わないのかしら?』って、変な人だと思われているかも(笑)。」

設計担当として一年半ですっかりこの仕事に魅せられてしまった和山さん。そんな和山さんに、これまでで一番の出来と思う作品はなんですか? と伺ったところ、2016年10月に発売された「青森りんご とまとブレンド」という答えが返ってきました。

「青森りんご とまとブレンド」は、「青森りんご」シリーズの会社設立10周年記念商品として、初めてりんご以外のもの=トマトをブレンドした商品。「りんごとトマトという、微妙に異なる赤の色や質感をそれぞれ表現しました。トマトが嫌いな人もいますから、トマトが入っていることが一目で分からないといけないですしね。これが設計する上で非常にハードルが高かったのですが、なんと2回でOKをいただけたんです。そんなの史上初で(笑)。大きな自信になりました。」

和山さん(前列中央)をはじめとした土屋工業の印刷部門スタッフのみなさん。髪の毛一本、塵ひとつで印刷に支障が出る真剣な職場の中にも、同郷の先輩、後輩なども多いそうで和気あいあいとしたチームワークの良さが伺えます。 和山さん(前列中央)をはじめとした土屋工業の印刷部門スタッフのみなさん。髪の毛一本、塵ひとつで印刷に支障が出る真剣な職場の中にも、同郷の先輩、後輩なども多いそうで和気あいあいとしたチームワークの良さが伺えます。

「もともとこの会社に入ったきっかけは、自分の好きなものづくりに携わることができると思ったから。そのものづくりで人に喜んでもらえるものを作れたときは、自分なりに考えた甲斐があったな、と思いますよね。」と目を輝かせる和山さん。「商品見本」には和山さんのような作り手の思い、こだわりがぎっしり詰まっているのです。

私たちの想像もしないような奥深さを秘めた「商品見本」の世界。この先、どんな進化をしていくのか、注目してみるのも面白いかもしれませんよ。


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COLUMN

季節ごとの味わいを飲み比べ『青森りんごシリーズ』

季節ごとの味わいを飲み比べ『青森りんごシリーズ』

2010年度にスタートした「青森りんごシリーズ」は、JAアオレンとの共同開発で2016年8月には累計出荷本数2,000万本を突破した人気シリーズ。「シリーズ7」では、前回も好評だった「飲み比べ」に加え、「季節感」をテーマに、季節ごとに飲み比べたい味わいを2商品ずつ展開。春には爽やかな甘味をもつ「つがる」とコクのある甘味をもつ「王林」、4月以降発売予定のほどよい酸味をもつ「ふじ」とで、「酸味×甘味」の飲み比べが楽しめます。

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